世界史としての日本史

2017年9月12日

世界史としての日本史 (小学館新書)

こういう多読家の教養人は一体どうやってこれだけの読書量をこなしているんでしょうね。明治維新から近現代に至る日本史を新たな視点で捉え直すきっかけとなる良書。こまったことに本書の中で紹介された本がますます読みたくなってしまう。

昔のエリートがいかに勉強しまくっていたかが紹介しながら、半藤氏も出口氏も自分の無教養を嘆いているふうであるが、この二人が勉強不足というのであれば、もう生きて行けませんな。

戦後の皇室の演出については「敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人」なんかに書いてあって、それはそれでガツンとやられた記憶があるが、明治天皇の演出についてもやっぱり賢い演出があったんだねと思う。

「日本は特別な国」という思い込みを捨てろ!と表紙にあるが、実に運がよかったんだねーと特別に思ってしまうのは勉強不足だからでしょうか。

最期に引用をひとつ

人間の社会のありようは気候風土や文化、歴史で千差万別なので、安定の仕方も違う。夫婦や家族でも、10年過ごせば、その家族なりの安定があって、それなりのバランスが生まれる。そこへ部外者が異なる価値観を押し付けて介入すれば、ろくなことにはなりません。

先日飲み会の席で年下のお友達に「先進国の正義と途上国の正義は一緒じゃないんよ」と偉そうに語ってしまったが(あ〜恥ずかしい)、こういう風に表現したかったのよね。青臭い学生時代の部活で、「上には上の仕事、下には下の仕事があるんじゃー」と言って失敗した後に「経験と立場に応じた役割がある」と言えばよかったのにと嗜められたのを思い出す。教養って大切ですね。いや、ほんと。

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