感覚異常性大腿神経痛 meralgia paraesthetica

2017年9月12日

やっぱり指導医は偉大だなーと感じる若かりし日の思ひ出。そんな話。

metabolic_futomomo

20代男性、左太もものしびれ

大腿外側のしびれ

20代男性。スノーボードで転倒、第2腰椎破裂骨折。体幹ギプス4週間ののち硬性コルセットに変更。徐々に左大腿外側のしびれ感を自覚。運動障害・筋力低下はない。

まあL2レベルと言えばL2レベルの症状だし、骨折で神経どこか触っているのかな?運動麻痺が出なかっただけ御の字ということで、とりあえずビタミンB12製剤でも飲みながら経過を見てみましょうかね(未熟者の私)。

たまたま通りかかった指導医に症状を話す20代男性。「あーそれはコルセットの締めすぎよ。そんなにきつく締めなくて良いからね。」と優しい指導医。そして私への恐怖のフィードバック。

大腿外側皮神経 lateral femoral cutaneous nerve

L2-L3の神経根由来。骨盤内を通り、上前腸骨棘のすぐ内側を、鼠径靭帯と縫工筋に挟まれるようにして皮下に出てくる。ここで絞扼されて症状を起こす。きつめのガードル、伸縮性の悪いズボンでのしゃがみ動作、肥満・妊娠などお腹の肉での圧迫などが原因になるとのこと。今回の20代男性は、破裂骨折による麻痺がおきることを恐れて、硬性コルセットをきっちりと締め上げていたため、逆説的に神経麻痺症状を生じてしまった。

当ブログ既出のHunter管症候群同様に絞扼性神経障害なので、上前腸骨棘のすぐ内側周囲でTinel徴候陽性となる。仮にならなければ他の原因もやはり鑑別すべし。ヘルニア?骨盤内腫瘍?

治療は圧迫の解除。今回の20代男性も恐る恐る締め付けを弱めることで徐々にシビレ感は改善し最終観察時は無症状。経過によってはやはりステロイドの局注か? 骨折などの派手な主病態に引っ張られることなく、予断なく診察にあたることが大事ですね。。。あー痛かった。

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