ハンター管症候群 Hunter canal syndrome

2017年9月12日

外来をやっていると、たまに見慣れない症例がきてアタフタすることがある。そんな話。

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20代女性、最近右足がしびれる

下腿内側のしびれ

特にきっかけはなく1ヶ月ほど前から右下腿内側の痺れに気付いて様子見ていたが、改善しないため受診したとのこと。よくある局在がはっきりしない、漠然と下肢外側全部のような訴えではなく、下腿内側にはっきり局在するシビレ領域があった。う〜ん、こりゃL4のルート症状かね?と思って神経刺激徴候をみるが全く無反応。とりあえず腰の可能性をルールアウトしましょうと言って腰椎レントゲンの指示を出して診察一旦終了。内心、腰の可能性は少ないと思っているので、急いで神経の支配領域を確認・・・あった、伏在神経だわこれ。明らかに伏在神経の支配域に一致している。

伏在神経 saphenous nerve

伏在神経は大腿神経の枝で純粋な知覚枝。縫工筋、長・大内転筋、内側広筋からなる内転筋管(ハンター管)を大腿動静脈と一緒に通過しているらしい。内転筋管とadductor hiatus(内転筋腱裂孔)は同一かと思っていたら内転筋管の出口が内転筋腱裂孔だった。大腿動静脈は内転筋腱裂孔を通って大腿前面から後面へぬけていくが、内転筋管に一緒に入った伏在神経は途中で内転筋管を貫いて表層に出てくるそうな。

The saphenous nerve does not leave through the adductor hiatus but penetrates superficially halfway through the adductor canal. Wikipediaより

即席に調べた結果、内転筋管での絞扼性神経障害に間違いないと考えてレントゲンの説明も含めて再度診察。ハンター管の圧迫で伏在神経の支配域にビンビンきた。特にしこりも触れず。というわけで診断は『ハンター管症候群!!』。問診を取り直したが圧迫の原因となっているような行動はなさそうで、とりあえず病態の説明と抗炎症目的に軟膏処方。これ、治らなかったら原因をもう一度あらうか、ステロイド局注するかかな。。。良くなりますように。

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