疼痛のある骨転移におよぼす放射線治療の効果
背景
骨転移に対する放射線治療がQOLを改善することはわかっているが、どれくらいすぐにQOLを改善するかはわかってなかった(ホントか?)。
目的
放射線治療後のday10とday42におけるQOLを調査する。QOLの測定には骨転移に特化した質問票を用いる。
方法
放射線治療後の痛みに対するデキサメタゾンの予防効果を調べたNCIC Clinical Trials Group Symptom Control Trial SC.23の二次解析。治療部位の疼痛スコアが少なくとも2以上(range, 0-10)ある人を解析。
患者は8Gyの一回照射
baseline, Day10, Day42における、最悪の疼痛スコア、鎮痛薬内服状況を調査。疼痛反応はInternational Bone Metastases Consensus Endpoint Definitionsを使用。質問票として、QLQ-BM22と、QLQ-C15-PALを使用した。
QLQ-BM22: The European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire Bone Metastases Module
QLQ-C15-PA: The European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Core 15 Palliative
痛みが部分的にでも改善したらResponderと判断。痛みが不変であったり悪化したものはNon-responderと判断。
結果
患者数298人。Day10では122人(40.9%)がresponder、Day42では116人(38.9%)がresponder。Responderは痛みや痛みの特性の改善に加えて、機能の制限や心理社会的側面にも大きな改善が見られた。Day42においてresponderは身体的にも、感情的にも、全般的にも、QOLは改善していた。
結論
Day10でも40%の患者が痛みの改善とより良いQOLの達成ができた。ResponderはDay42ではさらにQOLの改善を認めた。8Gyの一回照射は予後不良の患者を含めて全ての骨転移に提供されるべきだ。
感想
3Gyの10回照射なんかやっていると効く人にはだいたい1週間くらいで効果が出てくる印象があった。実際のところ何日くらいで効果が出るかは耳学問でちゃんと何かで読んだ記憶がなかった。反省。
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