専門医試験にでる筋電図検査の覚書

2017年9月12日

正直なところ自分で施行した経験はないが毎年試験に出るから覚えるしかない。針筋電図は、①刺入時、②安静時、③最小随意収縮時、④最大随意収縮時の4相で検査する(らしい)。

神経原性疾患と筋原性疾患

神経原性疾患 筋原性疾患
刺入時  急降下爆撃音、ミオトニー放電
安静時 線維性自発電位、陽性鋭波
最小随意運動時  多相性、持続15msec以上(通常5-10msec) 低振幅、持続短い
最大随意運動時  干渉波減少、基線がわかる 干渉波減少しない、振幅低下

適当に理由付けを

脱神経のおこった筋は2週間頃から敏感になって興奮性が高まる。ハブられてることに気付いた少年のようだ。とんがってるから、頼んでもないのに線維性攣縮電位や陽性鋭波なんかだして頑張ってしまう。ついには筋が不可逆性変化をおこし(心を病んでしまい無感動になり)線維性攣縮電位を起こさなくなる。

最小収縮時。神経原性疾患では筋肉は正常だから、それぞれの筋肉の発するパワー(振幅)は変わらない。神経が悪いとはいっても生き残った正常な神経がどうにか頑張ってる。いつもは信号を届けない配達エリア外の筋肉にも、頑張って信号を届ける。すると様々なエリアの筋肉が信号が届き次第興奮するから波が多相性になるし、近所から遠くまで興奮するから持続ものびる。一方で筋原性疾患では筋肉の発するパワー(振幅)が低下してしまう。神経は正常で配達エリアを守っているから持続は伸びない。むしろ短い。

最大収縮時。多くの筋肉が収縮するから、それぞれの収縮が重なって1個1個が判別出来ない波(干渉波)になる。神経原性の場合は、ご近所さんでは興奮しないから干渉波は減る。干渉しないから当然。筋原性では干渉はするけど、それぞれの筋肉が元気なくなってるから振幅が低下する。

ついでに誘発筋電図

電気風呂でビビビっとさせるのと一緒(のはず)の原理で、神経を電気刺激して筋肉の収縮を記録する。筋肉の収縮がM波として筋電図に記録される。M波はmuscle waveかと思っていたら(Muscle) mass action potentialとか言うらしい。どうでもいいけど。もう一つ大切な言葉が潜時。この言葉が引っかかって理解が止まっていたけど、「潜時=神経を刺激して筋収縮が観察されるまでの時間」のことらしい。大層な名前で呼びやがって、つまりは”delay”じゃないか。手根管症候群や肘部管症候群で測定する機会がきっとあるだろう。きっと検査結果が理解できるようになっているに違いない。

確認問題

問102 神経電気生理学的検査について正しいのはどれか. 2つ選べ.

a 神経伝導速度の遅延は脱髄の程度を反映する

b 針筋電図検査では安静度、最小随意運動時、最大随意運動時の3相で評価する

c 針筋電図検査では末梢神経損傷直後に支配筋の脱神経電位が確認できる

d 脱神経電位は筋が不可逆性変化に陥ると消失する

e 神経原性変化として干渉波の振幅の低下がある

第26回専門医試験筆答試験問題より

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