腰痛 Red Flag @ 日本ガイドライン
赤旗です。危険信号です。とりあえず日本のガイドラインに乗っているのは下記。各国のガイドラインごとに微妙に違っていてコンセンサスがなく、実はエビデンスもはっきりしない Red Flags。でも意識はしておくべき。実に覚えにくい。
・発症年齢<20歳または>55歳
・時間や活動性に関係のない腰痛
・胸部痛
・癌、ステロイド治療、HIV感染の既往
・栄養不良
・体重減少
・広範囲に及ぶ神経症状
・構築性脊柱変形
・発熱
FACETでしょう。
誰が言い出したか知らないがFACETが有効だなと思う。Facetは椎間関節のこと。腰と椎間関節。実に覚えやすい。
F: Fracture
A: Aorta
C: Compression
E: Epidural infection
T: Tumor
これらを念頭に置いて診察していたら自然とRed flagもカバーできているはず。
診療の実際 @ ガイドライン
ガイドラインには「腰痛患者に対してX線撮影を全例に行うことは必ずしも必要でない」と書いてはあるものの実際は大人の事情で基本的には撮影になっていまう。X線撮影を控えるメリットは現場サイドには全くない。患者メリットとしては被曝の低減、待ち時間短縮などあるが、X線撮影せずに指導や処方だけで終了としたら不信感を抱かれるに違いない。
腰痛あれこれ
腰痛持ちは多い。日本人の有訴者率のなかで男性1位、女性2位をしめるのが腰痛だ。疾病負荷のトップも腰痛がしめており、もはや国民病と言っても差し支えない。
明らかな原因のない腰痛を総称して非特異的腰痛と呼ばれる。ガイドラインでは、この非特異的腰痛が全体の85%をしめるとしている。概ね8割前後が非特異的腰痛と考えていいだろう。概ね1ヶ月ほどの保存療法で軽快することが多く、一般的に医者からあまり注目を浴びていない。
そんな非特異的腰痛ではあるが、実はレッドオーシャンだ。整体・鍼灸・按摩など実に様々なプレーヤーが参入している。一部の整形内科ではエコーガイド筋膜リリースが流行っているようだ。良質なエビデンスの構築が望まれる。
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