祈祷室をつくろう!

多文化主義(multiculturalism)を掲げるカナダでは本当に様々な人種・民族がいるなと思う。地下鉄に乗れば身長の高い人から低い人まで、肌の色も様々、体型も様々、髪の毛の色も様々。多種多様な人が表面的には共存できているように見える。

意外と少ないイスラム教

民族が違えば宗教も違う。とはいうものの人口の8割はキリスト教のようだ。その他の宗教としてユダヤ教、イスラム教、ヒンズー教、シーク教、仏教などがあげられる。無宗教も16.5%と多い。イスラム教徒がもう少し多いのかと思っていたが意外ではある。

大学にはアメリカを避けてか中東からの留学生が多いと思う。ヒジャブをお洒落に着こなす綺麗な人々をついつい目で追いかける30代の怪しい日本人は、ついついムスリム人口がもっと多いのかと誤解していた。余談だが単身のアジア人男性は警戒されるらしい。私は妻帯者であることでかろうじて信用を保っている。

礼拝の時間

ペーペーの私にはもちろん個室なんてものはあてがわれておらず、共同利用の自習室のようなところで過ごすことも多い。同僚のFは空いてる個室に忍び込んで居座ってしまったが、奥ゆかしい日本人の私はそんなことはできない。自習室の窓際で(景色がいいから窓際です。居場所がないからでは決して・・・)、もくもくと作業をしている。

数ヶ月前より、ふと気づくと後ろでブツブツ言ってる人が現れた。なんや?とは思うが直ぐに振り返っては小心者と見くびられる。しかしガサゴソ動き始めた。動揺を隠しつつ、こっそり振り返る。あら?カーペットの上に小さい絨毯がひいてある。なるほどね、礼拝でしたか。

別に困りもしないからへーっと思って過ごしていたら、なんか利用者が最近増えて来た気がする。留学生の中にもムスリムコミュニティーがあるのだろう。情報が回っている。需要があるんだな。

祈祷室をつくろう

代わる代わるに礼拝に来られるようになると、さすがに戸惑いを感じる。あちらも気を使っているのは十分わかる。ただこちらも気を使うのですよ。変な音を立ててしまったら迷惑ではなかろうか、後ろで飲食してたら気が散っていけないかな、変な動画を再生させてはいけないに違いない、など色々と考えてしまう。

やはり解決策は祈祷室だろう。実際のところニーズがどれくらいあるか調査が必要だとは思う。しかし礼拝のような極めてプライベートな行いを衆人の前でさせるのは忍びない。まだ新しい我が留学先の研究棟ではある。Fが無断使用する個室のようにスペースはまだあるに違いない。

祈祷室インセンティブ

とはいえ結局のところは運営側がどう考えるかだ。JR東京駅や成田・羽田空港などには祈祷室が設けられている。これは世界と戦う武器が観光くらいしか残っていない日本が、訪日外国人を増やそうとする行動の一環だともみれる。もちろん需要があるからではあるが。

いまやムスリムの人口は世界の四分の一を超えている。その半数以上がアジアに住んでいる。移民の刺激による社会の活性化を目指すのであれば、日本の大学は祈祷室を整備してムスリムのベストアンドブライテストを全員引っ張ってくるくらいのことをやったらいい。多文化主義のカナダでさえ未整備だ。まだいけるはず。