高齢ドライバーの事故報道

2017年9月12日

高齢ドライバーの事故報道を目にする機会が増えている。小学生の列に突っ込んだとか、帰省中の孫をひき死なすとか、買い物帰りの妻が夫の車にひかれたなどなど、ちょっと「高齢ドライバー」「事故」で検索すればどんどん出てくる。ついに高齢ドライバーの事故相次ぐというまとめニュースがNHKで報道されるに至った。

高齢ドライバーの問題は急に始まった訳ではない。NHKだって2014年に運転し続けたい 〜高齢ドライバー事故の対策最前線〜 NHKクローズアップ現代という報道をしている。高齢者増えているんだから高齢者の事故は増えてくるのが当然だ。日本は高齢化社会と言われるがそんなに甘い話ではない。高齢化社会は65歳以上が総人口の7%超え程度の可愛いもの。日本はとっくに超高齢社会(同21%)の26%である。4人に1人が高齢者だ。そりゃ高齢者の事故も多かろう。

自動車事故といえば保険。おとなの階段のぼるセゾン自動車保険のテレビコマーシャルが気になってしょうがない。事故率を表す坂道ですけど、確かに20代から下り坂をおりて行って保険料が割安になっているけど、40代〜50代に底がきてからまた登り坂になっているじゃないですか。洗顔料や歯磨き粉のCMみたいに巧妙に真実が描写されている。高齢だったといつの日か想う時がくるのさ〜♪

話がそれた。ここ最近の報道過熱はなんであろうか?高齢者が事故を起こしたら必ず全国ニュースになっているのではと思わせる勢いだ。高齢者事故に詳しいとかいう専門家が、「高齢者は複数の課題を同時にこなす能力が低下してくるので、とっさの判断ができにくくなり交通事故をおこしてしまいやすいのです(キリッ)」とか当たり前っぽいことをもったいぶって言い出しそうだ。被害者に寄り添った感情に訴える報道に暴露していると処罰感情が芽生えてくる。人間ってそういうものだ。

しかし高齢者が悪いのか?そんなわけはない。運転能力が低下した状態で運転していることが問題なのだ。では運転能力が低下した状態とは何か?飲酒している場合は運転能力が低下した状態として社会的にもコンセンサスが得られているだろう。処罰も致し方ない。運転するのであれば飲酒しなければいいだけの話だ。避けられる。しかし運転するのであれば高齢にならなければいいというわけにはいかない。年を重ねるのは避けられない。しかも運転が現実的に必須の生活を送っている高齢者というのはザラにいる。運転能力なんか医者は判断できない。運転する高齢者を非難してもしょうがないのだ。

ならば高齢ドライバーにはねられても文句ないんだな?家族が高齢ドライバーにはねられても許せるんだな?と言われそうだが、当たり前のことだ。許せる訳がない。被害者、そしてその家族は堪え難い苦しみを味わうわけだ。加害者の全てが憎くなって「歳取ってるのにハンドルにぎりやがって」と思うだろう。矛盾しているかもしれないがその通り。人間ってそういうものだ。

感情的な話が増えてきた時には冷静な議論、つまり数字にもとづく議論が必要だ。せっかくセンセーショナルな報道で耳目を集めている時だ。いまこそ情報を出すべきだ。ウェブメディアは身軽だ。高齢ドライバーの事故は20代より少ない 意外と知らないデータの真実という秀逸な記事がでている。アクセル踏み間違い率5分の1に 新型ペダル装置開発という記事も興味深い。しかし所詮はウェブメディア。テレビ様には敵わない。マスメディアにも数字をわかりやすく報道することが期待される。

最期にイケハヤさんの記事を紹介しておきたい。

恐ろしいのは、そういう一方的な「処罰感情」が、ほんとうにサポートを必要としている人を萎縮させ、孤立させてしまうことです。
「弱者のふりをした卑怯者は混じっていないのか?」と語る長谷川豊さんに伝えたいこと。

さんざん書いといてなんだが、高齢ドライバーの事故報道が増えているかどうかは検証していないので悪しからず。