整形外科と漢方

2017年9月12日

敬愛する先生の整形外科と漢方に関する講演があり聴いてきた覚書。

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整形外科における漢方の病名投与

漢方の考え方にもとづく診察・所見をとりながらの処方ははじめは敷居が高い。そこでまずは病名投与を行うことで慣れてみてはというご提案。待ってました、こういうの!

こむら返り

芍薬甘草湯(68)は良く効くけど頓服として使うこと。甘草の含有量が高いため低カリウム、むくみ等の副作用がある。長く飲むなら疎経活血湯(53)。甘草の含有量少なく副作用気にならないので長期にわたって飲んでもらうことも可能。

おおー。前者の話は知っていた偽アルドステロン症おこすから注意が必要なんですよね。。。じゃあ、どうすんのよ?ってところで困ってた所にすっぽり。さっそく使おう。

打撲・捻挫

治打撲一方(89)。これ。痛みにも効くし腫れも早くひく。すごい。高齢者の骨折・疼痛にNSAIDsを使っていると腎機能が気になってアセトアミノフェン処方となることが多かった。そんな私に新たな選択肢。臥床安静時の便秘予防にもなる優れもの。

五十肩・四十肩

小柴胡湯(9)+疎経活血湯(53)の合わせ技がいけるとのこと。

二朮湯(88)や桂枝加朮附湯(18)は知っていた。他にも麻杏薏甘湯(78)というのもあるらしい。日経のサイトによると芍薬甘草湯(68)が夜間痛に効くとの話もあり参考になる。手持ちの武器は多いに越したことはない。

Heberden結節

桂枝加朮附湯(18)や当帰四逆加呉茱萸生姜湯(38)で温めてあげると効果があると。こいつらは温めてくれる効果があるってことは冷え性にもいいのかな?添付文書にもそんな感じで書いてあるから冷え性の方への処方機会もありそう。

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*適応・用法・容量を確認のうえ、医療行為は有資格者が自己責任で実施して下さい。

漢方のお話

5世紀頃に中国医学が伝来し日本で独自の発展をしたものが漢方で、中国医学とは共通点もあるが違いも多く別物と考えてよさそう。明治政府に西洋医学が採用されることで衰退したが100年の雌伏の時を経て再び(私が個人的に)注目されている。気血水理論や虚実理論などを含め、患者の状態である証をえて治療法を選択する。(参考wiki)

正直、この気血水理論や虚実の話がどう治療に繋がるのかが覚えれないこと、薬の名前が読めないから覚えられないことから興味はあっても、なかなか勉強できていなかった。でも西洋医学ではどうにもならん人もいる訳で武器が欲しいので講演会が良い導入となった。

演者の経験論

漢方は食前・間投与が基本とされているけども食後でオッケー。整形漢方は2週間程度で見切りをつけてよさげ。演者の先生曰く、飲みやすい薬が効果が高い印象があるとのこと(空腹時のご飯、脱水時の水が美味いのと同じ?)。勉強は古典を読む(実際に江戸時代以前の書物や中国医学の書をスライドで紹介していた。。。すごい)。

個人的に日記に書きたい話

慢性疼痛には心理社会的要因が関与していることが関与していることが明らかとなっており、心療内科などでは認知行動療法による治療が試みられている。しかし整形外科医には認知行動療法など心理療法を実践することはハードルが高い。「気」への介入が可能な漢方を用いることで同様の効果を狙える。といったことを話していたのが膝をポンと叩きたい気分だった。なんちゃって認知行動療法アプローチより漢方の勉強の方が私にはより実践的だ。