JBJS Clinical Classroom を試す

生涯勉強

臨床から離れると如何にして整形外科の知識をupdateしておくかが気になります。もちろん臨床にいても知識のupdateは欠かせません。自分の専門分野の情報はある程度ほっておいても耳に入ってくるかもしれませんが、整形外科一般の話になるとなかなか難しいです。

知識の確認を兼ねて整形外科専門医試験を使っている人もいると聞きます。毎年公開される問題をといて疑問点などを確認すると良い勉強になるでしょう。標準が常に正しいとは限りませんが、標準を知っておくことは大切です。専門医試験の問題はうってつけの教材と思います。

しかし専門医試験は年に一度のイベントなのが残念なところです。もう少し継続的に、それこそ隙間時間にチョチョっと勉強できるものがあればなーと思っていました。そんなニーズに応えて整形外科医全員が知っている雑誌”Journal of Bone and Joint Surgery: JBJS”からブラウザベースのサービスが出ていました。

JBJS clinical Class room on NEJM Knowledge+

概要

詳細は動画を見ての通りです。動画が公開されてから半年以上経っても再生回数が1000回とちょっとなので注目されてなさ具合がわかります。しかし整形外科医なら誰でも知っているJBJSと医者なら誰でも知っているNEJMがコラボしたという企画に権威に弱い僕はジェンガ並みにグラグラしてます。これは試してみるしか無いですね。

分野

カバーしている分野は下表のとおりです。

こ関節再建 ひざ関節再建 外傷
スポーツ 小児 あし
肩・肘 手・手首 脊椎
病理&基礎 倫理

整形外科が扱う分野はiPS細胞からトンカチまで様々です。部位と症候等の組み合わせで考えると分野の広がりが理解しやすいかもしれません(下表)。うまくマトリックスを埋められなかったこと、MECEでないことはご愛嬌ということで。

脊椎 肩・肘 手・手首 股関節 ひざ あし
外傷
変性疾患
スポーツ
代謝性疾患
先天性疾患
腫瘍
リハビリ

JBJS Clinical classroomの分野と比較すると網羅性は高くなるかもしれませんが、果たして整形外科一般の知識として知っておくべき以外のことも多く含まれてきそうです。その意味ではJBJSさんの分野わけは、比較的common diseaseにふった妥当な分野と考えます。

サービスの実際

私のような愚か者は経験、つまり失敗に学ぶしかありません。そこで如何に多くの失敗・間違いをしたかが大切になってきます。そんな僕のニーズを知ってか知らずか、JBJS Clinical classroomも問題集がベースのつくりになっています。

サービスにログインすると分野が選択できます。分野は前述の11分野です。各分野の達成度が%表示されています。試しにスポーツを選択して出てくる問題画面の一例がこれです。

JBJS Clinical Classroom より引用

ぐふぅ。難問やないか。。。 それはさておき、ただ回答して答え合わせをするだけではなく、自分の理解度を4段階で選ぶことができます。まぐれ当たりでデータベースに”理解している”と登録されることを防ぐことで、継続的な学習に役立てられるのでしょう。

問題数も少なくありません。全分野合わせて、2800問以上の問題と1300本以上の教材が含まれているようです。単純に計算しても各分野に200問以上の問題がプールされていることになります。恐ろしい。

お値段

でもお高いんでしょう。。。 はい、お高いです。

1分野のみ 75ドル
全分野一括 347ドル

そして毎年の更新料が75ドル〜最大150ドル。お高いです。むしろ専門とする分野をいくつか購入した方が良いような気がしてきました。僕はノリに任せて全分野をポチッとしてしまいましたが・・・。

その他、気になるところ

  • 字が小さい。もちっとUIを考えてもいいんでないかい?
  • 英語・・・しょうがない
  • スマホでも閲覧できるけど見にくい

日本整形外科学会アプリに期待すること

日本整形外科学会(日整会)の会員専用ページも情報が雑然としていて見にくかったのですが、新しく整備された会員マイページはなかなか見やすい良い出来だと思っています。会員マイページではいまのところ専門医単位の確認・振替などができるようです。(会員専用ページも残っています。)

そこで日本整形外科学会アプリにも期待したいと思います。専門医試験の問題を過去10年分くらいプールして、JBJS Clinical classroomのようなサービスを提供してもらいたいと思います。登録情報編集、専門医単位振替や学会費納入もアプリで出来るようになれば良いでしょう。広報も個人をターゲティングした形で情報を発信してもらえるとありがたく思います。

日整会がアプリを提供することで、どの属性の会員がどの分野に強かったり弱かったりするかが把握できることで、会員のレベル向上に寄与することが出来るでしょう。データの活用で整形外科への社会ニーズとのギャップを埋める対策が取れるかもしれません。

他にも日整会雑誌の教育研修講座は良記事が多いのですが存在が知られていません。アプリで配信することで会員の目に触れる機会も増えるでしょうし、実際にどれだけの、またどのようなアクセスがあったか解析することでコンテンツの質を上げていけるでしょう。

日整会アプリの可能性はどんどん広がります。
とは言っても現状はアプリ自体存在しないのですが。
お後がよろしいようで。。。