灯台の光はなぜ遠くまで届くのか

2017年9月12日

灯台の光はなぜ遠くまで届くのか 時代を変えたフレネルレンズの軌跡 (ブルーバックス)

世界中の灯台に使用されたフレネルレンズの発明者であるオーギュスタン・フレネルの生涯。フレネルレンズの簡単な仕組み、そして如何に世界に広がったかが紹介された濃い本。さすがブルーバックス。写真で見る灯台のフレネルレンズは美しい。現代のGPSが使える世界では必要性はへったものの、最果ての地から光をおくる灯台の佇まいに優しさを感じずにはいられない。

第5章 遅れをとったアメリカ

イギリス・フランスの海岸がフレネルレンズによって照らされる中、アメリカではフレネルレンズの導入が極めて遅れていた。合衆国灯台建設庁の長である堅物のおっちゃんが、フレネルレンズに懐疑的で全く導入しなかったためだ。堅物は”経費削減の鬼”であり高価なフレネルレンズを毛嫌いしたこと、海に行ったこともない人物であったこと、科学技術の知識がなかったことなど、灯台にとって残念な人だった。最終的には数多の経緯があって議会が動き、科学者と技師からなる合衆国灯台委員会が設立され、フレネルレンズが「有用」で「経済的」な光であることを証明することで導入が急速に進むきっかけになったそうな。

科学技術をうまく読み解ける能力をもってない人が官僚になると皆が不幸になる話。そうは言っても見たこともない最先端技術を理解しろというのは難しいか。IT技術がどう世界を変えるかなんて全く想像できんかったし、これから先も予想できん。卑近な例で言えばCPUやメモリなど10年前に想像していた必要量なんか桁違いに超えている。

医療のことはちょっとはわかってるから、昨今流行のジカ熱に対して水際対策をアピールしている何処ぞの国は残念な感じが半端ない。トンフルやデングの時にも一定の効果をあげたそうで。。。そりゃ見逃しまくっても1例ひっかければ効果有りだからね。どうか早く収束しますように。

閑話休題。19世紀に入ったばかりの欧米の時代背景がいまひとつ理解できてないのが残念。やはり大世界史を学ばないと読書人生も損してるなー。その他、「光粒子説」と「光波動説」のアカデミアの主導権争いなど読み所満載の本書でした。

灯台の光はなぜ遠くまで届くのか 時代を変えたフレネルレンズの軌跡 (ブルーバックス)